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吟醸酒がきちんと評価される時代がきて、新潟の酒も全国的に有名になりました。なかでも吟醸酒の先達者としての一翼を担ってきたのが吉乃川です。 上杉家ゆかりの川上家は、天文17年(1548)に庄屋の副業として酒造業を始め、越後平野の扇の要の位置で営々と酒造りを続けています。「吉乃川」の酒名は、15代当主川上栄太郎氏が母親の享寿(よし)さんの名前に母なる川、末広がりの川を組み合わせたものだそうです。県下の大手蔵として、常に進取りの精神を取り入れた酒造りを行っています。早くから近代的な設備を導入し、そのことによって伝統技術の確保をはかってきました。手間をかけるところは徹底的にかけるという姿勢は、機械と人とがみごとに連動している結果でもあります。
仕込みの季節になると、酒蔵は雪に埋もれ、空気は澄みわたり、酒蔵は期せずして天然の冷蔵庫となり、この豊かな自然の恵みの中で低温型の発酵が行われます。
日本一の大河、信濃川の伏流水「天下甘露泉」という良質な軟水を仕込み水とし、地元の酒造好適米の五百万石を高精白して醸される酒は、淡麗温雅、豊穣な味わい、そしてコクのあるさわやかな淡麗辛口タイプで、越後の酒の香りが十分に伝わってきますし、そのデリシャスな香味には老舗蔵の貫禄さえ感じられます。
吟醸酒はもともと吉乃川のお家芸ですが、越後の自然のなかで、越後の原料を使って醸そうとするところに、この蔵の矜持があるのではないでしょうか。
名誉杜氏の鷲頭昇一さんは、酒造りへの貢献が評され昭和58年に62歳の若さで黄綬褒章を受章されました。
創業以来四百有余年。古い蔵に新しい技術を導入しながら、吟醸の初心を貫き、全国新酒鑑評会金賞の常連蔵で名醸蔵元の名をほしいまにしています。
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